宵の独り遊び

　つい先日のことだが、

　友人が数人、我が家の掃除をしにきてくれた。

　来たことのある人間なら誰でも知っていることだが、

　宮原家は年中無休でちらかっていて有名なのである。


　掃除に関してはまた後日触れるとして、

　今日はその片付けあとの食事の最中に思い出したことを少々。



　掃除も大方が済み、

　皆で床の上で食事をしつつしゃべっているときに

　コインで簡単なマジックのようなことをして遊んでいた。

　で、そこには何人かいたのであるが、

　どんな簡単なマジックでも必ず騙されてしまう友人が１人いた。



　それも何回も目の前でやってみせてもである。

　ちなみに他の皆は1回で気付いたし、

　当の本人も、まさかこれにはひっかかるまい、

　と思ってやったのにだ。

　むしろマジックと呼ぶのもおこがましいくらいのものだった。


　そんなこんなで続けていくうちに、

　私は以前、知人がマジックを見ながら言っていた言葉を思い出した。


　「マジックは騙されるのが面白いんだよ」


　そんなことを言って楽しそうにマジックを眺めていた。

　そのとき私は、さっぱりその気持ちが分からなかった。



　けれども、私の目の前で

　「え～？」

　　とか

　「うーん･･･」

　と言いながらとても楽しそうにしている友人を眺めていると、

　本当にそうなのかもなぁと思ってしまう。




　その晩は案の定、

　「騙されるのが面白い」というフレーズが気になり、

　布団の中で、のらりくらりと独り遊びしてしまった。




　ところで皆さんは

　「マジックは騙されるのが面白い」というのに共感できますか？